カンボジアの医療環境:日系クリニックと日本人医師

増加する海外の在留邦人

2020年2月頃からのCOVID-19のパンデミックにより、海外渡航が難しい世の中になってきました。そのため、渡航の予定変更を余儀なくされた人も多いのではないでしょうか。私の住むカンボジアでも、在留外国人の一時帰国が増え、カンボジアへの入国者数も激減しているようです。

ただ今回の特殊な状況を除くと、海外移住・長期滞在する日本人は毎年増加しており、今後も増加していくことが予想されます。また、芸能人が日本を離れて海外移住したというニュースも最近は珍しくないような気がします。

外務省のデータ(2019年)によると、海外在留邦人(日本人)の総数は約141万人とのことで、地域別では北米が在留邦人全体の約37%(51万8755人)を占め、次いでアジアが約29%(41万4380人)、西ヨーロッパが約16%(22万3049人)という順になっています。

また、国別では私が住んでいるカンボジアの在留邦人は4,216人登録されており、国別順位は29位です。隣国のタイには79,123人(国別順位4位)、ベトナムには23,148人(同14位)の日本人が住んでいることを考えると、カンボジアに住む日本人はかなり少ないと言えます。確かにASEAN諸国の中でカンボジアの経済規模は小さいですが、外国人フレンドリーな環境でもありますから、今後の伸びしろは大きいのではないかと感じています。

 

海外生活で気になるのは治安と健康?

やはり海外に住んでいて気になるのは治安と健康かもしれません。もしも海外で病気やケガをした時は、日本とは医療制度や医療水準も異なるため、どこの国に住んでいるかによって状況は異なります。医療先進国だと安心ではありますが、それでも語学力にかなりの自信がないと医師や看護師との会話に困ってしまいます。

そこで、多くの海外旅行傷害保険には日本語ヘルプデスクや通訳サービスがあるわけですが、診察室で医師と患者の具体的なやり取りまで通訳してくれるとは限りません。そのため、滞在している国に完全に慣れるまでは、不安や不便との隣り合わせになってしまいそうです。このような時、もし日本人医師や看護師が現地にいれば、在住日本人の安心感と利便性はもっと向上するはずです。

 

意外と多い?カンボジアで働く外国人医師

世界の多くの国では、外国人医師や外資系の医療機関の参入は厳しく規制されています。日本も同じく、外国人医師が日本国内で医療行為を行うには、日本の医師国家試験(日本語版または英語版)に合格し、厳格な審査を受ける必要があります。

しかし、カンボジアの場合、海外の医師免許を保有している外国人医師にはカンボジアの医師国家試験は課されず、必要な資格書類を提出し審査を通過することで、カンボジア国内での医療行為が認められます。歯科医師や看護師も同様です。

もちろんカンボジア政府もいい加減な医師を排除するために厳格な審査を行っているので、ご安心ください。実際、私がカンボジアで医療行為許可証(医師免許)を取得する際には、多くの必要書類を提出し、審査に時間を要しました。具体的には、パスポート・VISA・日本の大学医学部卒業証明書・成績証明書・医師免許証・専門医証書・行政処分関係英文証明書・無犯罪証明書などの原本および英語版を提出しました(今はもう少し煩雑になっているようです)。私が聞くところ、カンボジアには日本以外に、中国・韓国・台湾・タイ・フィリピン・ベトナム・アメリカ・フランスなど出身の医師がいるようです(ボランティアで医療活動を行っている医師を除く)。

最近はカンボジアでも正式な医師免許を持たないニセ医者や闇医者が問題になっているようなので、外国人医師の審査は甘くはないです。母国で何らかのトラブルを起こした経歴のある医師には、カンボジアでの医療行為は許可されません。

 

やっぱり安心。日本人医師のいる病院・クリニック

現在、カンボジアの首都プノンペンには、日本人医師が働いている病院・クリニックがいくつかあります。日系では、「ケンクリニック」「サンインターナショナルクリニック」「サンライズジャパン病院」「オリエンタルジャパンスキンクリニック」、外資系では「ラッフルズメディカル」などが挙げられます。市内にいくつかある日系の歯科クリニックにも複数の日本人歯科医が勤務しています。日本人在住者の数から考えると、充実している方ではないでしょうか。

カンボジアに住む外国人はあまりローカルのクリニックには行きたがらないので、外国人医師がいるクリニックや病院には一定の需要があります。さらに、カンボジア人の富裕層も外資系の医療機関を好んで受診する傾向にあるようです。

例えば、日系の美容クリニックである「オリエンタルジャパンスキンクリニック」の患者層ですが、カンボジア人4割・日本人2割・残り4割はフィリピン人・シンガポール人・中国人・アメリカ人・フランス人・オーストラリア人といったように多様な国籍となっています。一方、同じく日系の「サンインターナショナルクリニック」では、6-7割を日本人患者が占め、残りをカンボジア人・中国人などの患者で占められるそうです。

 

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