カンボジアでの美容クリニック選び 5つのポイント

カンボジアの首都プノンペンでは、他の東南アジアの都市と同様に美容クリニック・エステサロン・スキンスパなどが次々とオープンしています。SNSでの画像投稿が日常生活の一部となった今、写真にどう映るかが重要視されているからかもしれません。

カンボジアに住んでいると、どこでどんなクリニック(美容皮膚科・美容外科)を受診したらいいのか迷うのではないでしょうか。これには日本での病院・医者選びとは異なった視点が必要です。やはり安心・安全が最優先されますから、カンボジア在住医師の立場からクリニック選びのポイント5つを解説していきたいと思います。

 

① 本当に医療施設なのかどうか

② 医師の経歴が明確かどうか

③ 治療内容・必要性を十分に説明してくれるか

④ 複数言語で対応してくれるか

⑤ 派手な広告やプロモーションを連発していないか

 

① 本当に医療施設なのかどうか

これを読むと、一瞬「はぁ?」と思うのではないでしょうか。

「〇〇クリニック」という看板を見ると、普通は医師と看護師がいる医療施設だと思うはずです。しかし、カンボジアでの“Beauty clinic”や“Skin clinic”は、カウンセラーに相談できる場所というようなイメージもあるため、単なるエステサロンやスキンスパがクリニックを名乗っている場合があります。同じく、“Beauty center”も医療施設ではない場合があります。美容医療を受けるつもりで受診しても、資格を持たないスタッフが施術を対応することになりますから、ご注意ください。

さらに、医療施設でないにもかかわらず、患者に注射や投薬までしてしまうサロンも存在します。もちろんカンボジアでも違法ですが、どこからか薬剤を入手して無資格のスタッフにより自己流の治療が行われることも珍しくありません。万が一のトラブルが起こった場合の対処法を持っているわけではないので、リスクしかないと思われます。

 

② 医師の経歴が明確かどうか

カンボジアの美容クリニックには、外国人医師が治療を行う外資系クリニックも数多く存在します。しかし、それらの外国人医師は非常勤であることが多く、治療が終わるとすぐに帰国してしまい、フォローアップが必要な時に相談できないケースもあります。またカンボジア人医師が常駐していても、十分な臨床経験がない場合もあります。カンボジアでは、美容外科・皮膚科・形成外科などの専門医資格を持っていない医師が多く、数日間から数週間の美容セミナーや研修に参加しただけでも、経験者として扱われる傾向にあるくらいです。やはり、そのクリニックの医師がどのような経歴・属性を持っているかの確認は必要かと思います。

 

③ 治療内容・必要性を十分に説明してくれるか

美容診療においても、患者の主訴・要望に対して、診断に基づき、治療計画を立てて治療を行うことが医師の役割です。各クリニックにおいて、対応できることとできないことは当然ありますし、治療の必要性がない場合もあるかと思います。すべての患者に対して、期待される効果とリスクを十分に説明し、「治療の限界」をお伝えするのも医師の義務かと思います。

また、カウンセラーの売り込みが激しく、医師からの説明が不十分なクリニックは避けた方がいいでしょう。患者それぞれの要望・症状は異なるわけですから、カウンセラーに「今、これが人気なんです!」という理由だけで治療契約を迫られるのもどうかと思います。

 

④ 複数言語で対応してくれるか

海外のクリニックを受診する上で、一番困るのが言葉の問題ではないでしょうか。日本語でもなかなか理解しにくい内容もあるかと思います。医療サービスを受けるとなると、十分な理解が必要ですので、言葉の通じないクリニックはオススメできません。

カンボジアの美容クリニックでは、最低2ヵ国語(クメール語+英語or中国語など)で対応してくれる場合が多いです。カンボジア人は語学堪能な人が多いわけですから、クメール語しか通じないようなクリニックは避けた方が無難でしょう。

あと、カンボジア人と外国人で価格設定が異なるクリニックもあるようです。通訳・翻訳のサービス手数料とのことですが、ご留意ください。

 

⑤ 派手な広告やプロモーション連発に注意

これは日本でも同じことが言えるのではないでしょうか。クリニックの立地や内装の豪華さだけで判断することはないかと思いますが、大量の広告やプロモーションに患者は引き寄せられます。専門医の立場から見て、カンボジアでは明らかにインチキと思われるビフォーアフターの症例写真を平気で使っているクリニックは未だに数多く見受けられます。最近は日本だけでなく海外でも患者の判断を誤らせるような美容広告は規制されていますが、カンボジアでも広告に惑わされないように注意してください。

あと、プロモーション広告で元値を伏せた状態で50%OFFなどと強調している広告も多いです。ここでは書きませんが、激安価格を連発するクリニックには理由があります。また、お得だからと言って、安易にパッケージプランを契約してしまうと、施術内容に幻滅することがあるかもしれません。他院で受けたことがある施術でも、クリニックによってレベルは様々です。事前に十分に確認することをお勧めします。

 

以上のポイントを念頭に置きながら、カンボジアで美容クリニックを選びましょう。現地のカンボジア人でもいろいろなクリニックを受診し、よく話を聞いた上で信頼できるクリニックを決めています。外国人の立場では、なかなか正確な情報を得にくいとは思いますので、同じ外国人からの口コミを参考にしてもいいかと思います。美容治療は緊急を要するものではないので、迷った状態で安易に決断しないことが重要です。

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