美白のためにできること:カンボジア女性は美白至上主義?

十数年前の日本では一時期、若い女性の間で黒く日焼けした肌(ガングロ)がブームになっていましたが、現在は透明感のある白い肌が好まれているようです。

ここ東南アジアの女性の間では、一貫して「美白」であることは最優先・最重要課題です。カンボジアにある私の美容皮膚科クリニックでも状況は同じで、受診するカンボジア人の患者さまの多くは「美白」を主訴としています。

もともと肌の黒い人は、皮膚のメラニン色素量が多いため、美白には限界があります。そのことを患者さまにお伝えした上で、「レーザー治療」「美容点滴治療」「美白クリーム」などを組み合わせながら、美白を最大化する治療計画を立てていきます。

しかし、「美白」はクリニックの治療のみで達成できるものではなく、毎日のスキンケアやライフスタイル改善を通して健康な肌を獲得することがとても重要となります。

カンボジアに住んでいる日本人にも肌の不調を訴える方は多いですので、下記を参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

美白に必要なこと

まず、顔が暗く見えてしまう原因として下記の5つが挙げられます。

①日焼けしている

②疲れ・睡眠不足

③肌が乾燥している

④栄養のバランスが悪い

⑤便秘または下痢

何か当てはまるものはありますか?

肌が暗く見える原因によって改善方法が違いますので、原因をしっかりと見極めて、それに合った改善法を実践することが美白への近道です。

 

①日焼けしている

まず日焼け対策としてサングラスをしていますか?カンボジアはご存じの通り、一年を通じて紫外線が強いです。目から紫外線が入ると、目の細胞がダメージを受けるため、脳が全身にメラニン色素を作るように指令を出します。それにより肌が黒くなってしまいます。外出する時はサングラスをかけて、紫外線から目を守りましょう。

 

②疲れ・睡眠不足

疲れ・ストレス・睡眠不足があると、肌のターンオーバーが乱れてしまいます。肌のターンオーバーは約28日周期です。その周期が長くなると、メラニン色素の排出が遅くなり、肌の細胞がなかなか生まれ変わりません。そして、皮膚表面の古い角質層がずっと残ったままになるため、肌が暗く色黒に見えてしまいます。

 

③肌が乾燥している

肌の乾燥は、肌のバリア機能を低下させてしまい、紫外線や空気中の汚染物質によるダメージを受けやすくなります。肌のターンオーバーも乱れるため、結果的にシミ・色素沈着の増加につながります。

また、乾燥肌の人はビタミンCの配合された美白化粧品の使用に注意してください。ビタミンCは皮脂を減少させて水分を奪いやすい成分ですので、肌がより乾燥しやすくなります。

 

④栄養のバランスが悪い

若い女性で貧血・冷え症で悩んでる人も多いかもしれません。貧血になると、全身の細胞が酸素不足になるため、血液の色が黒くなります。そのため、貧血の人はどうしても顔色が暗く見えてしまいます。貧血を改善するために鉄分をしっかり摂取しましょう。鉄分を多く含む食べ物には、牛肉やレバー・卵黄・ホウレン草などがあります。サプリメントから鉄を摂取するのも良いでしょう。

また、冷え症を改善するためには冷たい食べ物や飲み物を避けて、温かいもの・身体を温める作用があるものを選んで食べましょう。エアコンなどで体を冷やしすぎると、肌への血流が悪くなり顔が暗く見えます。

そして、美白に必要な栄養素はビタミンCです。ビタミンA・B・E・タンパク質・亜鉛などを一緒に摂取すると、さらに効果的です。しかし、コーヒーなどに含まれるカフェインは体内のビタミンCを破壊する働きがありますので、過剰摂取には注意しましょう。また、レモン・オレンジ・きゅうり・ニンジンなどの野菜・果物の中にはソラレンという栄養素を含むものがあり、これを朝に食べると紫外線を吸収し、日焼けしやすくなるので要注意です。

その他、リコピンを多く含むトマトも美白効果が高い食べ物であり、抗酸化作用によりメラニンの生成をおさえる働きがあります。

 

⑤便秘または下痢

腸内環境を整えることも重要です。腸内環境が良くなると、免疫力も上がり、肌のターンオーバーが活発になります。そのためには、チーズ・ヨーグルトなどの発酵食品がオススメです。腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす助けになるため、さまざまな種類を少量ずつ摂るといいでしょう。また、水はたっぷり1日1.5~2リットル飲むといいでしょう。一気に飲むのではなく、1日に何度も小分けして摂取しましょう。

あと、ストレスを減らし、適度な運動の習慣化も効果的です。

 

以上のように、生活習慣をちょっと見直すだけでも健康的で透明感のある肌に近づきます。

ただ、患者さまに常に伝えていることは「肌は美白より美肌」です。

肌の白さだけを希求するのではなく、肌のクオリティーを上げることが、今後東南アジアでも重要な美の指標になると思っています。

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